静粛に、只今統計勉強中

仕事でデータ分析をすることになったバリバリ文系アラフィフのおっさんが、独学で統計の勉強を始めました。

『マンガでわかる統計学 回帰分析編』を読み返してみた

名著『マンガでわかる統計学』のシリーズ第2弾は、順当というべきでしょう、回帰分析編となりました。ただし、多くの入門書が重回帰分析までとしているところ、この本ではロジスティック回帰分析まで取り上げられており、さすがと言わざるを得ません。

マンガでわかる統計学 回帰分析編

マンガでわかる統計学 回帰分析編

まえがきにもある通り、『回帰分析編』は『マンガでわかる統計学』よりも数学的なレベルがぐんと上がっています。
第1章 基礎知識 では、第2章以降に必要な数学知識(微分とか行列とか)について解説されていますが、高校数学をきちんと抑えていない人は、ここで躓いてしまいそうです。ていうか私がそうでした。

ただし、ここをクリアしないとその先まったく付いていけないかというと、意外とそうでもありません。というのも、計算のもっとも手ごわい部分はエクセルExcel関数(LINESTとか)や統計ソフトに任せちゃえ、とされているからです。数理に手厚いこのシリーズですが、さすがに専門書の領域にまでは踏み込まない、といったところでしょうか。

それでも初学者には十分ハードだと思いますが、「計算はソフトウェア任せで結構です」という(私のような)タイプの人も、以下の理由でぜひチャレンジしてみるべき本です。

  • 回帰分析という手法の「意味」を正しく理解することができる。
  • 回帰分析の「手順」を正しく理解することができる。
  • 回帰分析で得られる統計量の「意味」を正しく理解することができる。

これらのことは、エクセルExcelで散布図を作り回帰式や決定係数をグラフに表示させているだけでは、決して会得することはできません。数理への理解があればそれに越したことはないですが、そうでなかったとしても、概念だけでも把握しておくことはとても大切です。

たとえば、以下のような説明を鵜呑みにしちゃいけないなんて、この本を読まなければ気づくこともできなかったでしょう。

そもそも、回帰分析は何のために行うのでしょうか?一般論でいえば、いろいろな回答が考えられるかと思いますが、マーケティング分野において端的にいえば、「『結果』に対する『原因』を推測する」ことにあるのではないかと思います。

回帰分析とその応用① ~回帰分析は何のために行うのか? | GiXo Ltd.

 

このシリーズは、マンガでイメージをつかんでから文章でおさらい&より深い知識を得るという構造になっていて、少々おおげさですが私は、回帰分析の真髄に誘(いざな)われているような興奮を感じました。
なかでも出色なのがこれ。

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「無理矢理」と書いて「前向き」と読む。
冗談抜きでこれこそが統計学の本質だと、今のところ私は考えているのです。