統計検定2級の設問を分類→集計してみた2
前回からの続きです。
前回は、2012年~2018年6月の統計検定2級の全設問を分類し、出題回数を単純集計してみました。
続いて、設問数を集計してみましょう。
2012年~2018年6月の項目別設問数
小項目 | 項目 | 設問数 |
---|---|---|
仮説検定 | 独立性の検定 | 20 |
確率変数 | 確率変数の期待値・分散・標準偏差 | 19 |
仮説検定 | 母平均の差の検定 | 16 |
散らばりなどの指標 | 箱ひげ図 | 13 |
散布図と相関 | 散布図 | 13 |
標本調査と無作為抽出 | 標本抽出法 | 11 |
回帰分析 | 重回帰モデル | 10 |
散布図と相関 | 相関係数 | 10 |
推定 | 正規母集団の母平均の区間推定 | 10 |
推定 | 母比率の区間推定 | 10 |
標本分布 | 標準正規分布表の利用 | 10 |
仮説検定 | 母平均の検定 | 9 |
確率 | ベイズの定理 | 8 |
確率 | 事象と確率 | 8 |
実験計画の概念の理解 | 分散分析 | 8 |
中心傾向の指標 | 平均値 | 8 |
データの分布の記述 | ヒストグラム | 7 |
確率 | 加法定理 | 6 |
確率分布 | 二項分布 | 6 |
散らばりなどの指標 | 標準偏差 | 6 |
時系列データの処理 | 指数化 | 6 |
単回帰と予測 | 観測値と予測値 | 6 |
標本分布 | 標本平均の期待値・分散 | 6 |
データの分布の記述 | 度数分布表 | 5 |
仮説検定 | 適合度検定 | 5 |
仮説検定 | 母分散の比の検定 | 5 |
確率 | 乗法定理 | 5 |
確率分布 | ポアソン分布 | 5 |
中心傾向の指標 | 中央値 | 5 |
カテゴリカルデータ | 2元クロス表 | 4 |
データの分布の記述 | 幹葉図 | 4 |
仮説検定 | 第1種の過誤と第2種の過誤 | 4 |
回帰分析 | 回帰係数の検定 | 4 |
確率変数 | 2変数の共分散・相関 | 4 |
散らばりなどの指標 | 四分位範囲(四分位偏差) | 4 |
推定 | 信頼区間 | 4 |
中心と散らばりの活用 | 変動係数 | 4 |
標本分布 | 二項分布の正規近似 | 4 |
データの分布の記述 | 分布の形状 | 3 |
仮説検定 | 帰無仮説(H0)と対立仮説(H1) | 3 |
回帰分析 | 回帰直線の傾きの推定と検定 | 3 |
確率分布 | ベルヌーイ試行 | 3 |
確率分布 | 一様分布 | 3 |
確率変数 | 確率変数の和と差 | 3 |
散らばりなどの指標 | ジニ係数 | 3 |
散らばりなどの指標 | ローレンツ曲線 | 3 |
時系列データの処理 | コレログラム | 3 |
時系列データの処理 | 成長率 | 3 |
実験 | フィッシャーの3原則 | 3 |
単回帰と予測 | 回帰係数 | 3 |
単回帰と予測 | 決定係数 | 3 |
単回帰と予測 | 標準誤差 | 3 |
単回帰と予測 | 分散分析表 | 3 |
中心と散らばりの活用 | 標準化(z得点) | 3 |
仮説検定 | 仮説検定の理論 | 2 |
仮説検定 | 検出力 | 2 |
回帰分析 | ダミー変数を用いた回帰 | 2 |
回帰分析 | 自由度調整(修正)済み決定係数 | 2 |
確率 | 条件付き確率 | 2 |
確率分布 | 幾何分布 | 2 |
推定 | 一致性,不偏性 | 2 |
標本分布 | カイ二乗分布 | 2 |
データの分布の記述 | 質的変数(カテゴリカル・データ) | 1 |
データの分布の記述 | 量的変数 | 1 |
仮説検定 | 母比率の検定 | 1 |
仮説検定 | 両側検定と片側検定 | 1 |
観察研究と実験研究 | 観察研究 | 1 |
観察研究と実験研究 | 調査の設計 | 1 |
散布図と相関 | 共分散 | 1 |
散布図と相関 | 層別した散布図 | 1 |
散布図と相関 | 偏相関係数 | 1 |
時系列データの処理 | <階差系列> | 1 |
時系列データの処理 | トレンド | 1 |
時系列データの処理 | 幾何平均 | 1 |
時系列データの処理 | 系列相関 | 1 |
時系列データの処理 | 平滑化(移動平均) | 1 |
推定 | 推定量と推定値 | 1 |
推定 | 母比率の差の区間推定 | 1 |
推定 | 母分散の区間推定 | 1 |
単回帰と予測 | 残差プロット | 1 |
単回帰と予測 | 変数変換 | 1 |
標本調査と無作為抽出 | 偏りの源 | 1 |
標本分布 | 分布表の活用 | 1 |
出題回数8回で第5位だった独立性の検定が、設問数では単独首位に躍り出ました。
実は、出題されなかった3回のうち、2017年11月と2015年11月には適合度検定の問題が出題されており、実質10/11、第2位の出題率と言ってもいいでしょう。
まさに定番中の定番。
しかも、1回につき複数問が出題されますので、解けなければダメージが大きいです。
なので、絶対に解けるようになっておきましょう。
設問内容をさらに細かく見ると、
試験日 | NO | 項目 | 細目 |
---|---|---|---|
2018年6月 | 31 | 独立性の検定 | 期待度数 |
2018年6月 | 32 | 独立性の検定 | χ2統計量を求める計算式 |
2018年6月 | 33 | 独立性の検定 | 検定結果 |
2017年11月 | 30 | 適合度検定 | 自由度 |
2017年11月 | 31 | 適合度検定 | χ2統計量を求める計算式,検定結果 |
2017年6月 | 28 | 独立性の検定 | 期待度数 |
2017年6月 | 29 | 独立性の検定 | 自由度 |
2016年11月 | 25 | 独立性の検定 | 期待度数 |
2016年11月 | 26 | 独立性の検定 | 自由度 |
2016年11月 | 27 | 独立性の検定 | 検定結果 |
2016年6月 | 30 | 独立性の検定 | χ2統計量を求める計算式 |
2016年6月 | 31 | 独立性の検定 | 自由度 |
2015年11月 | 29 | 適合度検定 | χ2統計量を求める計算式 |
2015年11月 | 30 | 適合度検定 | 自由度,検定結果 |
2014年11月 | 11 | 適合度検定 | 自由度,χ2統計量を求める計算式 |
2014年11月 | 28 | 独立性の検定 | 期待度数 |
2014年11月 | 29 | 独立性の検定 | 自由度,検定結果 |
2014年6月 | 29 | 独立性の検定 | 検定法の選択 |
2014年6月 | 30 | 独立性の検定 | 期待度数 |
2014年6月 | 31 | 独立性の検定 | 自由度,検定結果 |
2013年11月 | 22 | 独立性の検定 | 期待度数 |
2013年11月 | 23 | 独立性の検定 | 自由度 |
2013年11月 | 24 | 独立性の検定 | 検定結果 |
2012年11月 | 18 | 独立性の検定 | 期待度数 |
2012年11月 | 19 | 独立性の検定 | χ2統計量を求める計算式 |
上表にあるとおり、ほとんど一定のパターンで出題されていることがわかります。
今後ひねった問題が出ないとは言えませんが*1、今のところは基本をしっかり押さえておけば、必勝の項目になりますね。
*1:2014年11月のNo.11は、未知母数を含む分布の検定する場合、推定した未知母数の数だけ、さらに自由度が減ることを覚えていないと間違ってしまう難問でした。