Excel VBAで分析ツールの分散分析に多重比較をちょい足ししてみた2
前回までで、Tukey-Kramer 法による多重比較に必要な検定統計量を求める数式を確認し、検定を行うための境界値を求める関数を作成しました。
で、それを基に実行プログラムを作成したわけですが、実装済みのVBAソースコードは、スチューデント化された範囲の表を取り込んだ関数のせいで、やたらと縦に長くなってしまいました。
そこで、今回は記事にコードを貼り付けるのはやめて、テキストファイルをDropboxに置いておくことにしました。ご覧になりたい方は、以下のリンクから表示またはダウンロードしてください。*1
使い方をサラッと説明します。
- ソースコードを全てVBEで標準モジュールに貼り付けます。
- ワークシートの画面に戻って、分析対象となるセル範囲を(ラベルを含めて)選択します。*2
- [開発]タブを選択して[マクロ]をクリックします。
- ANOVA_TKを選択して、【実行】をクリックします。
- 新規ワークシートに分散分析の結果が出力されました。
16行目までがエクセルExcel分析ツール標準の出力で、18行目以下がちょい足しした多重比較の結果になります。
分散分析の結果は、F検定<0.01で有意となりました。では、どの組み合わせで平均値に差があると言えるのか?
Tukey-Kramer 法による多重比較の結果、有意水準0.01ならモグモグバーガーとパクパク亭が、有意水準0.05なら左記に加え、ワクワクバーガーとモグモグバーガーも差があることがわかりました。
って、アレ? 前回、
今回、自分自身が一番気に入っているのは、統計ソフトによくある P<0.01 ** P<0.05 * ってやつを使わずに、有意水準αでバッサリと検定するところです。 フィッシャー先生も草葉の陰で喜んでくれているのではないかと。
Excel VBAで相関行列と偏相関行列をまとめて出力する実行プログラムを作ってみた - 静粛に、只今統計勉強中
とか言ってた、舌の根も乾かないうちに ** <.01 * <.05 ns 非有意?
いや、面目ないです。
今回はp値も計算できないプログラムで、多重比較表の見た目がパッとしないものだから、ついやっちゃいました。
でも、フィッシャー先生、なぜ「有意性検定は有意水準を境に白黒はっきりつけろ」って言ったんでしょうね?
今回の例で言えば、モグモグとパクパクの平均値の差が大きかったからこそ、有意水準0.01でも有意差有りとなったわけで、裏を返せば、p値が小さいほど=q値が大きいほど平均値の差も大きい、と言ってもよさそうなものですが。そう言ってはダメなんでしょうか?
またしても謎にぶち当たりました。統計学って、こんなんばっかりや・・・