『統計学がわかる』シリーズを読み返してみた
前回いろいろ書いてしまいましたが、『統計学がわかる』シリーズは『マンガでわかる統計学』の次のステップとして、わりとお薦めです。
どちらも、架空のお店を舞台にしてイメージのしやすいデータが扱われていて、読みながら自分でも計算できますし、初学者向けの例題もあって学習しやすいです。
また、会話形式で書かれている箇所が多く、理解を助ける役に立っていると思います。
欠点は、各種検定に分布表しか使わないことかな。せっかくp値が計算できるエクセルExcel関数があるのだから、その解説も欲しかったところです。
- 作者: 向後千春,冨永敦子
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2007/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本では、以下のことが学べます。
- 平均・分散・標準偏差・信頼区間 毎度おなじみの基本のキ
- カイ2乗検定 こちらもご参考にしてください
- 母平均の差の検定 2群の平均値に違いがあるかを調べたい人向け
- 分散分析 3群以上の平均値に違いがあるかを調べたい人向け
入門書という性質上、同種の本(『マンガでわかる統計学』とか)と重複する項目も多いのですが、そこは復習も兼ねて読むとよいのではないかと。
あと、分散分析は多重比較については書かれていません。多重比較から一気に難易度が上がるのでしかたないですね。交互作用についての詳しい解説があるのは、とてもありがたかったです。
それから、この本でも「帰無仮説を採択」と書かれていますが、間違いなのでご注意ください。正しくは「帰無仮説は棄却されない」です。
統計学がわかる 【回帰分析・因子分析編】 (ファーストブック)
- 作者: 向後千春,冨永敦子
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2008/12/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本では大雑把に言って、単回帰分析→偏相関→重回帰分析と、相関行列→因子分析について学ぶことができます。ここまで来るとふつう自分で計算とかしないで、統計ソフトにおまかせしてしまいますよね? ていうか私がそうなんですが。
今回再読にあたり、そこをぐっとこらえて本に従って計算してみましたが*1、重回帰分析がどうにも難しいですね。概念としては理解できるのですが、数式が全く脳内に定着しません。文系脳にはこの辺が限界なんでしょうか・・・
それでも、多変量解析への導入的な学習にはなったと思います。統計ソフトにおまかせにするにしても、用語の意味くらいは知っておかなきゃならないですし。
*1:因子分析は、計算方法の解説がなかったので除きます。