静粛に、只今統計勉強中

仕事でデータ分析をすることになったバリバリ文系アラフィフのおっさんが、独学で統計の勉強を始めました。

不偏分散の平方根は不偏標準偏差じゃなかった

分散 Vの(正の)平方根 \sqrt{V}標準偏差であることは、みなさんご存じですよね?

では、不偏分散 \dfrac{1}{n-1}\displaystyle\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X)^2 の(正の)平方根 \sqrt{\dfrac{1}{n-1}\displaystyle\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X)^2}は、不偏標準偏差でしょうか?

タイトルで種明かししちゃってるんだから、こんな謎かけしてもしょうがないんですが、でも、にわかには信じがたいですよね? 答えがノーだなんて。

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不偏じゃないほうの標本分散も一致推定量だった

前回、母分散の不偏推定量が不偏分散 \dfrac{1}{n-1}\displaystyle\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X)^2 であることをようやく理解したわけですが、推定量の望ましい性質は、不偏性のほかに一致性というのもあります。

一致性というのは、推定量大数の法則に従っている場合に指す言葉で、

サンプルサイズが大きくなれば、推定値は母集団が持つ真の値に近づくよね。

という、感覚的にも至極とうぜんのことを言っていたりするわけですが、統計学的にはn→∞で証明されているわけで、無限大の前には不偏分散の分母にあるマイナス1なんて、文字どおり物の数じゃなかったりします。(このことは前々回、オオカミ先生も言ってましたね。)

というわけで今回は、不偏じゃないほうの標本分散も一致推定量であることをシミュレーションで確かめてみたいと思います。

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標本の不偏分散はやっぱり母分散の不偏推定量だった2

前回、

不偏分散について学びなおすぞ!

と決意して、わりとたくさん持ってる『マンガで(ほにゃらら)統計学』を片っ端から読み返してみたけれども、全然わからなかった、というお話をしました。

 

今回は、もう少しハードな本とか親切なWEBサイトとかを駆使して、何が何でも不偏分散の本質を理解してやろうと思います。

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標本の不偏分散はやっぱり母分散の不偏推定量だった1

統計学を勉強し始めて「えー、なんで?」と思うことの一つに不偏分散があります。
ありますよね!?

だって、

S^2=\dfrac{1}{n}\displaystyle\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X)^2

じゃなくて、

\hat\sigma^2=\dfrac{1}{n-1}\displaystyle\sum_{i=1}^n(X_i-\bar X)^2

ですよ?

nの後ろの-1ってなんじゃい! ってなるじゃないですか。なりますよね!?

そんなわけで、手持ちの入門書をひっくり返して、あらためて不偏分散について学ぼうと思ったんですが・・・

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標本平均の分布が正規分布になることをシミュレーションで確かめてみた2

前回は、N=1000の母集団からn=10の標本を1000回抽出し、標本分布を作るところまで行いました。

今回は、サンプルサイズnの大きさや母集団の分布の形によって、標本分布の形・標本平均の平均・標本平均の分散がどう変わるかを確認してみたいと思います。

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